立体写真による日本（Japan through stereoscope）」 ブック型箱入り100枚セット写真サイズ 918cm アンダーウッド社　1904年

箱サイズ縦19×10×16これは米国の代表的な立体写真会社アンダーウッドが制作した世界シリーズの日本編です。
同社が派遣した外人カメラマンが明治期の日本各地を回って撮影した多種多様な写真を100枚収録しているので、芸術的かつ歴史的な資料として大きな価値を持っています。
ここには庶民の日常生活、旅行、仕事、遊び、風俗、風景の数々が写されており、タイトルとしては、子供たち、横浜、東京、長崎、旅行案内、寺院、、鎌倉と大仏、巡礼者、名山、富士登山家、奥間伯爵の故郷、盆栽、繁華街、織工、城、占い師、陶芸家、七宝造り、茶摘み、漁師、鍛冶屋、農民、庭園、奈良、京都、神戸、広島、宮島、錦帯橋、長崎、農業、お茶会、花、仏教美術と建築、竹、火山、城、その他が多岐に渡っています。
　カードの表には１から１００までの通し番号とタイトルが記され、裏面には詳細な英文解説に加えて各項目に関する参考文献が付され、最後に、フランス語、ドイツ語、スペイン語、スウェーデン語、ロシア語のキャプションまで加えられています。
立体写真でこれほど丁寧に日本の社会と事物を紹介したものはなく、写真で見られる当時の実際状況は人為的な普通の古写真よりもずっと生々しく、細かい背景などを眺めると色々面白い発見があって倦ることがありません。

　コンディション
非常にしっかりしたケースに入ったまま保管されていたので写真には手擦れがない未使用に近い状態です。
写真の台紙ボードが厚く立体写真特有の反りが少々ありますが、写真には、汚れ、シミ、傷み、退色などがほとんどなく鮮明に鑑賞できる優良品です。
ブック型箱には擦れや僅かな白っぽい汚れのような跡が見られますが全体に堅牢で経年を考慮すればきれいです。画像をご参照ください。

　このセットは不揃いやバラで見かけることはありますが、完全品は滅多に市場に出ず、国内の機関では国会図書館に1つ保管されているだけの貴重品です。
　アンダーウッド社製の写真は品質や決定的瞬間をとらえた画像の美しさに定評があります。
立体古写真は従来の古写真にはない風景、風俗、文化など、ほのぼのとした自然体の珍しい写真が多く、希少です。
　明治期の立体写真には何とも言えない特別な魅力がありますのでまず立体で見える次のサイトの実例(20枚）をご覧ください
明治の文人、正岡子規、萩原朔太郎も大変な愛好者でした。
→ここをクリック（ 素晴らしい画像ですが外部サイトにつき自己判断の上、ご覧ください）
　立体写真は欧米で19世紀半ばから開発・生産され日本の風物も幕末・明治から多くの立体写真で紹介されましたが大半は海外で販売されたので国内ではほとんど知られていません。
これは希少な明治期日本の風俗、文化、風景の記録です。
立体写真はきちんと立体視できる道具がないと魅力が実感できません。
貴重な価値が半減以下になってしまいます。
※　立体スコープは現在出品中。

　※注意事項
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